分娩の種類(経膣分娩<自然・誘発・吸引・鉗子・無痛など>・帝王切開)
■経膣分娩
「経膣分娩」とは膣を経過して(産道を通って)出産する分娩法のことです。
経膣分娩で、陣痛促進剤などの薬を使わずに、自然に陣痛が来るのを待つお産を、「自然分娩」といいます。一方、陣痛促進剤などの薬を使って、陣痛を誘発するお産を、「誘発分娩」といいます。
分娩誘発には、医学的適応と社会的適応(産む側の都合や施設側の都合で出産日をあらかじめ決めて陣痛を人工的に起こすもの)があります。自然に起こった陣痛と、誘発した陣痛とでは痛みの感覚も異なり、薬物を用いることによって起こるその他のリスクもあるということを知っておく必要があります。
また、子宮口が全開大で赤ちゃんの頭が出てくる段階になってから、お産の進行が止まってしまった場合に、赤ちゃんが出てくる手助けをすることを、「吸引分娩」・「鉗子分娩」といいます。
鉗子分娩では、金属製の2枚のへらを組み合わせたはさみのようなもので、赤ちゃんの頭を挟んでいきみと同時に引き出します。
吸引分娩では、金属製(もしくはシリコン製)の丸い大きなカップを赤ちゃんの頭に当て、カップ内の空気を抜いて吸引力により引き出します。
「無痛分娩」とは、麻酔を使って陣痛と分娩の痛みをコントロールする出産方法です。欧米での出産方法の主流は無痛分娩です。無痛分娩では、麻酔によって痛みは軽減されますが、感覚は残っていて、出産の感覚は分かります。メリットとデメリットをよく理解して選択する必要があります。
■帝王切開
経膣分娩不可能な場合や、経膣分娩では危険性が高いと判断された場合に、お腹を切って、赤ちゃんを取り出す方法が「帝王切開」です。
胎児や母体の状態などから診断し、陣痛が起きる前に計画的に行う「予定帝王切開」と、お産の途中でトラブルが発生し、母子が危険と判断されたときに行う「緊急帝王切開」があります。
近年の少産少子化、産婦人科関係の医療訴訟の増加等を背景に、帝王切開は増加傾向にあり、日本の帝王切開率は10数パーセントとなっています。
前置胎盤、胎盤早期剥離など帝王切開しか分娩方法がない場合や、お産が順調に進まずに母児が危険にさらされた場合など、帝王切開は多くの命を救うことができます。
一方で、本来女性に備わっている自然分娩できる力をより尊重することも見直されてきています。
リスクを伴う出産の際には、医師とよく話し合い、納得のいく出産方法を決めることが大切です。
